休眠口座をなくすには?
数々の印刷会社の新規開拓、売上拡大を実現してきた営業戦略コンサルタント山田英司氏が営業力の底上げを実現する新規開拓・売上拡大の仕組みづくりを解説。
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かつて頻繁に注文のあった顧客がまったく注文をよこさなくなるケースがよくあります。
なぜそうなるのか、その防止策にはどういうものがあるのか、考えてみましょう。
現在の顧客との取引は、無論、永久に続くものではありません。
どんなに努力したところで、純然たる相手側の事情によって取引関係が消滅するケースはよくあることです。
それは主として取引先の倒産、転廃業、移転、合併などという形で現れます。
これはむしろ自然減とでもいうべきものです。
加えて、競争他社は、日頃から当社の顧客に対して陰に陽に誘いをかけているものです。
たとえば、有利な取引条件を提示したり、新商品や当社の扱わない商品などを武器に食い込みを図ろうとすることは日常茶飯事です。
そのような状況の中で顧客が当社の営業マンと不和になったり、当社の配送やサービス体制へ不満を抱けば、どういう結果になるかは自明です。
他社の誘いに乗って当社から離れていくのは必至でしょう。
同じことは、商品の品質、性能、知名度、価格などに顧客が不信を持った場合にもいえます。
また、顧客が問屋や小売店なら、当社品が他社品に比べて売りにくいとか、現実に売れないということにでもなれば、顧客も商売なので、取引の停止や縮小という決断を下すこともあるでしょう。
いずれにせよ、営業マンは、今日の顧客は明日の顧客に非ずということを肝に銘じておくべきです。
だからこそ、営業マンにとって新規開拓は必要ですし、顧客が他社にとられたり、他社に逃げることのないよう、最善を尽くすことが求められるのです。
かつて継続的に取引をしていた顧客から注文がこなくなり、取引口座だけがそのまま残っている場合を休眠口座、もしくはロストユーザーといいます。
どこの営業部隊でもその数は、積もり積もってかなりの数になっているのが実情です。
世間では新規開拓を重視する企業は多いにもかかわらず、休眠口座の発生を防ぐということについては意外に無頓着な企業が少なくありません。
しかし、営業マンにとってどちらも大事で、一見、はなばなしい新規開拓だけに熱心に取り組むのは片手落ちです。
ザルで水を汲む結果になりかねません。
したがって、休眠口座の発生を未然に防ぐことが大切ですが、そのためのポイントは、主として四つあります。
第一は、顧客のタイプをよく見極めることです。
すると、従来、取引先をころころ変えたところだとか、よく他社と天ぴんにかける駆け引き上手、あるいは価格で容易に態度を変えるなど、要注意の顧客の存在に気づきます。
このような相手は、重点的に気を配り、細心の付き合いをすることが大切です。
そして、いざというときは機敏に対応することが決め手になります。
第二は、顧客の言動や態度に何か日頃と違うものがないか、顧客の迷いや心境の変化などの兆候を早目にキャッチするよう心掛けることが重要です。
これは新人の営業マンには難しいかもしれませんが、ぜひそのような目を磨いてほしいものです。
たとえば、顧客が他社情報に詳しくなったり、他社品を賞めたりするとか、会うのを避け始める、急に態度がよそよそしくなるというケースがこれに相当します。
このような観察眼は、営業マンにとって商売道具の一つと考えてください。
第三は、自社にとり大事な顧客に対する他社の動き(営業マンの訪問頻度や幹部の接近ぶりなど)の情報を顧客から収集することも欠かせません。
もちろん、仕入担当などの当事者は、口が固く、なかなかいいませんが、それ以外の従業員(店員、女子社員など)と普段から親しく話をする間柄になっていれば、結構、気軽に教えてくれるものです。
第四は、顧客クレームに対する対処の仕方に留意することです。
相手を怒らせないよう最善を尽くすことが大事です。
とはいえ、どんなに努力しても休眠口座の発生を完全に防ぐことは至難です。
自分の担当テリトリーを見ても、かつて取引先だった顧客が結構あるものです。
そこで、このようなロストユーザーを敬遠しないで、自分が担当になる以前からの相手については、再度訪問して取引が切れた理由などを開いて回ることです。
そうすると、担当セールスとの不和が原因だったとか、他社の価格、取引条件、配送体制、サービスなどに魅かれて移ったなどの事情がわかります。
その結果、説得の仕方によってはロストユーザーと再取引することが可能なケースも出てきます。
担当が変われば、このようなこともできるのです。
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