反対意見を聞き出す
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商談が煮詰まってくると、飛び込みセールスの場合と同様、時としてためらいの反対に遭遇することがある。
これをいかに上手に処理するか。これがここでのメインテーマである。
ためらいの反対とは、それまでの商談の中では全く出てこなかった問題を突然、持ち出して契約をためらうことを言う。
「あなたの説明をよくわかった。ところで、経済性はどうなの?ちょっと問題があるんじゃないの?」
「まあ、燃費がいいのは結構だけど、デザインがねえ」
というのが、ためらいの反対の典型である。
これに対しては、
「いや、経済性には問題がありません」
「だけど、最新のデザインを採用しているんですよ」
などと、ムキになって反論するのではなく、
「と、おっしゃいますと?」のクッション質問をぶつけてお客様の信用を探り、真意が分かったら、それに対する補足説明をする、というのも述べた通りである。
ところが、営業マンの中にはこれが出来ず、その為、契約寸前でお客様を逃している人が少なくない。
何か反対されると、まるで口を封じかのように、セールスポイントを安売りする。
そういう営業マンが多いのだ。
セールス技術を知らないから出来ないのなら仕方がない。
しかし、教えても出来ない。 知っていても出来ないと言うことになると、これは問題である。
なぜ、教え込んでも出来ない営業マンがいるのか、私はかねがね不思議でならなかった。
たが、理由は簡単だった。
彼らは断られること恐れているのだ。
断られたらどうしようという不安があるから、お客様から反対の意見が出たら、まるで条件反射のように「いや」「だけど」と反論してしまうのだ。
これが売れない営業マンの実態なのだが、実は、セールスポイントを立て続けに打つのも同じ理由である。
断られるのを恐れるから、反論したりセールスポイント安売りしたりしてしまうのである。
ではなぜ、断られるのを恐れるのかといえば、
断られた後の処理が出来ないからである。
「いらないよ」「間に合っている」といわれると、もう何も言えなくなってしまう。
或いは、「この商品、あまり性能が良くないねえ」といわれると、断られるのじゃないかという不安のあまり、ついつい、
「いいえ、そんなことはありません。性能の良さは証明されています」
と反論してしまう。
その結果、機器かけたお客様の心を再び閉ざしてしまって、もう一歩のところで逃してしまうことになるのだ。
営業マンは、お客様の不満処理係である。
お客様からの断りのセリフが出ると言うことは、商品に対する不満が残っていると言うことであり、不満が残っているうちは絶対に売れない。
商品とはつまり、お客様の不満を処理出来て初めて売れるものであって、
売ろうと思うなら、断りのセリフを言わせ、本音をはかせて問題点を明確にしたほうがいい。
そうすれば、商談は早く、そして確実に進む。
それがわかってないと、どうしても断られるのを恐れることになる。
その結果、いいことづくしのセールストークに終始したり、質問攻めをしたり、反論したりといった落とし穴にはまってしまうのだ。
それもこれも、すべてを断られるのを恐れているからだが、営業マンは不満処理係であると思えば、恐れることもないはずだ。
それに、断る理由としても、無数にあるわけではない。
多いお客様でもせいぜい三つか四つ。大体そんなものである。
それくらいなら誰でも処理出来るだろう。
だから、断られるのを恐れる理由などどこにもないのだ。
我々営業マンは、断られるのを恐れては絶対にいけない。むしろ、断りのセリフを言わせなければいけない。
そうやって、お客様の本音を探り出して、断りの理由を素早く処理する。
これが商談の鉄則である。
もちろん、その為には、お客様を心から納得させるだけの商品知識やトーク技術を身につけておく必要がある。
商品知識というものは、セールスポイントを乱打するためではなく、お客様の反対や不満を処理するために身につけるものである。といっても過言ではない。
いずれにしても、ここではためらいの反対をいかに処理するかが一つのポイントになる。
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