3つ目の反対
悪質営業マンのあまりの急増ぶりに、飛び込み営業の法律規制が強化された。かつての飛び込み営業手法の多くは、法律違反になってしまった。
過去に許された営業手法でも現在は法律違反となり、裏を返せば「飛び込みセールスはするな」とも思えてしまう…。
この難問をクリアして、営業成績を増進できる手法の開発が必要となった。もちろん、法律違反しない正しいセールス法をまとめたのが本書である。
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さて、商談がここまで進んでくると、お客様によっては、ためらいの反対というのが出てくることがある。
例えば、それまで商品の経済性を求めてたお客様が、もう少しで契約だという段階なって突然、経済性以外のところでクレームをつけてくることがよくある。
これが、ためらいの反対というものである。
「燃費がいいというものは分かったけど、この車、エンジンの音が大きいのと違うか。
排気量が660ccではパワー不足じゃないのか」
「たしかに性能は良さそうだけど、俺がこれまで乗っていた車と比べて、ちょっと小さいんじゃないか」
そんなクレームを契約寸前に突きつけてくるお客様がいかに多いかは、実際に営業に携わっている人なら誰でもしていると思う。
さて、このとき我々営業マンはどうしたらいいのだろうか?
ためらいの反対は、営業マンにとって不利打ちのようなものである。
そのため、ムキになって反対したくなるが、それでは結局契約までたどり着けなくなる。
「ちょっとパワーが足りないんじゃないかねえ?」
「いいえ、そんなことはございません。FFですから、雪道、坂道でも大丈夫です」
「室内が狭いんじゃないか?」
「いえ、決して狭くはありません。有効室内ちわこれだけありますから」
こうやって反論すればする程、お客様の心の中では
「営業マンに分けてたまるか」
「顔のは俺なんだ。俺が買ってやるんだ」
という気持ちが強くなり、ますます依怙地になる。
対する営業マンはといえば、いよいよ暑くなって、次から次へとセールスポイントを強調するようになる。
それでもだめなら最後に、
「じゃあ、お安くしておきますから」
と、販売条件で売っていくほかなくなる。
これは値引きでしか売れない営業マンの通る道なのである。
注文書はいっぱい取ってくるのだけれど、どれもが値引き条件付きという営業マンは少なくない。それでは自分を苦しめるだけである。
では、ためらいの反対が出て来たら、どう対処したらいいのだろうか?
それにはいくつかの方法があるが、まずはクッション質問をぶつけてみることである。
「エンジン音が大きいようだが、、、」
「エンジン音が大きいとおっしゃいますと?」
「パワー不足と違うんか」
「パワー不足とおっしゃいますと?」
「室内が狭いよ」
「狭いとおっしゃいますと?」
というふうに、
「と、おっしゃいますと?」
というクッション質問をぶつけて、相手の真意を探るのだ。
というのも、敵は本能寺にある可能性が高いからである。
室内が狭いというのも、案外、値引きを要求するために行っているのかもしれない。
そこで、
「室内が狭いとおっしゃいますと、お差し支えなければ、その辺、もう少し詳しくお聞かせいただけませんか?」
質問をぶつけて本音を探る。
そして、敵は本能寺であるようなら、それに対する処理をすれば問題は解決する。
また、本当に室内が狭いと感じているようだったら、
「その点はご安心下さい。有効室内値は135mmございます」
と対応する。 その際、
「いいえ、狭くはありません」
と反論調は禁物。
まず
「その点はご安心下さい」
という枕言葉を置いてから、事実を客観的に伝えること。
すると、お客様の心がさらに開いて、我々の最終目的である契約にまで持って行きやすくなる。
いずれにしても、ためらいの反対が出ても、決してムキになって反応しないことである。
反論すればする程、自分を窮地に追い込むだけなのだ。
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